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そして窓の外の景色を見ながらブレッドは物思いにふけっていた
この三年間は世界を変えるには十分な時間だった
今から三年前つまり1998年9月の下旬頃、まだ警官だった僕は偶然知り合った仲間達と共に地図から消えた街、ラクーンシティから命懸けで脱出した
その後、世間では悲惨な事件を引き起こしたアンブレラが叩かれる事になったが、アンブレラ自体は政府と太いパイプで繋がっていた為、今だにその強靭な“傘”は破れてはいなかった、しかしいつかはアンブレラも潰れるはすだ…いや必ず潰してみせる…
…あれから三年が経ち、僕達の生活にも平凡な兆しが射し始めていた、妹のミシェルは無事に街から脱出した後、一緒に脱出したグランニウムと結婚して今は静かに暮らしているらしい、兄としては嬉しい事だ
更に嬉しい事に一緒に脱出したキティ…つまり今回誘拐された僕の友人は元々副大統領の娘だった、その副大統領は唯一一人だけラクーンシティの攻撃書類にサインを書かなかったということで保身より人命を優先した彼は見事、票を獲得し辞職した前大統領の変わりに大統領になり今も絶大な人気を誇っている
合衆国政府の中で唯一僕が信頼している人物だ
まあとにかく世界は目まぐるしく変わった…僕自身も…
ブレッドはそう思うと右手を見た、右手には指抜きのグローブを付けていた
(僕自身もある程度なら力を操れる様になってきた…)
そう思い右手を握ったり広げたりしている
そしてある程度繰り返している内にジープの窓を見て
(にしてもあのジープが気になるな…わざわざ事件を調べに来た記者がジープで来なくても良いと思うけどな…これくらいの道だったらそれなりの車でも来れると思うけど…何か物々しいな…それとも何か詰め込んでるのか…?)
するとジョンがブレッドに話し掛けてきた
「ブレッド着いたぞ、ここがプラーガ村だ」
目の前に石橋が現れた、幅はジープが楽々通れるくらいだからそこそこあるだろう
そしてその石橋を渡ると遠くに広場が見えた
村の人々は酪農等を営んでいるようで牛や鶏が目立つ
そして村人達の視線を感じながらブレッド達が乗ったジープは広場の中央にたどり着いた
キキー
ガチャ
ブレッドが外に出ると後ろに引っ付く様にもう一台のジープが止まり、トラックは更にスペースが有るところに横並びに止まった
そして後ろのジープからも一人の女性が降りてきてブレッドに近づいてきて話し掛けてきた
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