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剣はどちらも止まり、俺の木刀は老人の首の直前で止まり、そして老人の木刀は、俺の頭に置いてあった。
「・・・フムッ・・・流石、我が息子!!」
老人はニコリと笑い、木刀を納める。
「よく言うよっ、親父、息子をボロボロにしといてさ・・・」
俺は口を尖らせ、木刀をおさめる。
「で、入学式はどうだったかの?」
「あぁ、普通通りさ・・・」
俺は地べたに座り込み、足を擦る。
「そうかそうかっ、普通が一番じゃ!!」
この笑っている老人、実は俺の親父の梅村 定政・・・梅村家の六代目当主だ。この梅村家はヤクザの家系で、その家系を隠し、影で動く組織だ。俺の身近な者にはバレているが・・・
「そうじゃ、もう一人前になったのだから彼女とやらを作ってはどうかの?」
「断るっまだ早い!!」
俺は平手で床を叩き猛反対する。
「ウムッ、そういうところは、一人前になっていないようじゃなっ・・・さっ、腹も減ったし、晩御飯を食べようかの、亮我」
親父は俺に手を差し伸べてきて、俺は微笑みながらその手をとった。
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