恋する乙女に罪はなし

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「罪人……私が……」 罪人を裁く私が、罪人。 なんの罪を犯したというのだ? 仕事を真剣に行わなかったこと? 仕事中に個人的なことを考えていたこと? それとも……それとも……、 「……なんてこと」 私はもう一度だけため息を吐く。 そして同時に理解した。 悔悟の棒に自分が書くべき罪名を。 私は自分の罪名をさらさらと書きこむ。 ほんの少しだけ重くなったそれで自分の頭を一度はたく。 パコーン、と何処までも聞こえるような抜けた音が響き渡った。
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