三題噺「石油」「お茶」「足跡」

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「はぁ……………」 深いため息。するべきことも、したいこともない。ただ今の時間を無駄に消費している。 誰もが不快な顔をする程の石油臭さにも鼻は馴れてしまった。眠り過ぎて眠い。だけど寝たらまた持ち物を取られ殴られ惨めな気持ちになる。 座ってるだけじゃいつか寝ちまうよ…。 落ちている石を摘んで、目の高さから落とす。 タチタチ…。 ふらふらしながらも落とした地点から、十数㎝くらい、右手側に自分から遠ざかるように動いた。 それを確認すると立ち上がって、小石をまたぎ、小石の動いた方へと歩いた。 少し湿り気のある地面。 昼でも照明をつけなければならない程暗い地下の世界から出て、外の世界に入る。曇った空なのに目を刺激する。地面にはところどころ水溜まりが残っていた。 いっそのこと空に昇っちまおうか…。でも昇れそうにもないなぁ……。 見上げる空には、ビル群が突き刺さっている。 「ふぅ……」 近くの公園のベンチに座る。 設置された遊具で遊ぶ子供はいない。砂場に何人かいる程度だ。 俺にもあんな時代があったんだなぁ…。 あの頃には…自分が今こんな生活をしていることは想像できなかったろう…。 子供が一人近寄ってきた。
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