家族の思い出

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父と母の夢を見てから3日―。 あたしは笑顔で生活するようになった。 あれから友達も増え、舞から「元気んなったね」って言われるようになった。 兄も彼女とふたりで笑顔で生きているとメールがきた。 そして今日から新学期。 「美愛~。遅刻するよー」 「あ、待って」 あたしは父と母の写真に「行ってきます」と言って舞の元へ向かった。 あたしと舞が通う赤羽高校は全校生徒が250人ととても少ない学校。 でもあたしにはそのくらいの人数が丁度いいのかもしれない。 あたしたちはクラス表を見に掲示板が掲載されている場所へ行った。 「あたし3組。舞は?」 「あたしも3組。やったね。同じクラス」 「ねえ」 声がする方を向くとそこには可愛らしい女の子が立っていた。 高校生というよりはメイド喫茶で働いているような感じの子。 「何?」 「3組の人?」 「そうだけど…」 「よかったあ。あたしひとりだったから不安で。いきなりでごめんね。よかったら友達にならない?」 「全然いいよ」 たまにはこんな友達も悪くないか(笑) 「あたしの名前は城之内璃亜。璃亜でいいよ。よろしくね」 「あたしは神崎美愛。美愛でいいよ。よろしく」 「あたしは三浦舞。あたしも舞でいいから。よろしくね」 あたしたちはそれぞれ握手をし晴れて友達となった。 教室へ向かうとみんな席についていた。 真面目だな。とか思いながら自分の席につく。 舞とは席が離れちゃったけど璃亜とは席が近い。 案外この席悪くないかも。 「なあ」 「あ?」 「あんたここの生徒?」 「いや。違うけど…」 隣の男子が馴れ馴れしく話かけてくる。 とりあえずあたしはそいつの質問に答えてみる。 「じゃあ寮…とか?」 「まあ…」 「どこの寮?」 「木実寮っていうとこなんだけど知ってんの?」 「へえ。俺と同じじゃん」 こんな奴いたっけ? 「そうなんだ」 「あんた名前は?」 「神崎美愛。美愛でいいよ。そっちは?」 「俺は柴本雄大。じゃあ俺も雄大で」 そしてあたしたちは友達になった。 お母さん。あたしは楽しい仲間が沢山増えたよ。 天国で見守ってね。お父さんも。
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