0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
『メイド契茶』
「出来たー」
あたしたちクラスはメイド喫茶をすることになった。
今やっとメイド喫茶の看板が出来たところなのに…。
「美愛。メイド契茶になってる」
「うそ!?ホントだ…」
「手伝ってやるから。も一回やるぞ」
「う…」
漢字得意なんだけどな。
あれ?どこで間違えたんだろう。
「よし。完璧」
『メイド喫茶~来てねご主人様♥~』
「これ…いる?」
「え?ダメか?」
いや~…どうでしょう?
「ちょっと待って。これあたしの趣味にならない?」
「なるかもな」
笑うなー。
あたしそんな趣味ないぞ?
「あんたの趣味…か?」
「え?あー…え?」
きょどってるきょどってる。
ということは…オ・タ・ク!?
「お、おまっでぇ~!!」
「そ、そ、そんなんじゃねえよ」
「雄大くん。白状しなさい」
「え~?」
「じゃあ、バラしてもいいんだ?」
「わかった。わかったから。それから…誰にも言うなよ?」
そして雄大は白状した。
この趣味に目覚めたのは中学2年の時。
何も趣味がない雄大はひとつの漫画を手にした。
それが『メイド喫茶~お帰りなさいませご主人様~』だった。
それからハマリだしたらしく…。
今に当たるという流れだ。
計算すると2年もの間メイド喫茶のオタクということになる。
「…引いた?」
「何で?まあ、意外だなとは思ったけど」
大体そんなもんじゃない?
別に雄大みたいなオタクなら嫌じゃないけど。
メイド喫茶かあ…あたしには縁のない話だな。
「お帰りなさいませご主人様♥」
とか言わなきゃでしょ?
キ、キモい…。
あー。メイド服とか着んのかな?
誰が着るんだろう。
自分だったりして。
いや、ないない。
ありえないでしょ。
うげ…。想像してしまった。
文化祭…嫌な予感がするのは気のせいですか?
最初のコメントを投稿しよう!