雄大の秘密

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『メイド契茶』 「出来たー」 あたしたちクラスはメイド喫茶をすることになった。 今やっとメイド喫茶の看板が出来たところなのに…。 「美愛。メイド契茶になってる」 「うそ!?ホントだ…」 「手伝ってやるから。も一回やるぞ」 「う…」 漢字得意なんだけどな。 あれ?どこで間違えたんだろう。 「よし。完璧」 『メイド喫茶~来てねご主人様♥~』 「これ…いる?」 「え?ダメか?」 いや~…どうでしょう? 「ちょっと待って。これあたしの趣味にならない?」 「なるかもな」 笑うなー。 あたしそんな趣味ないぞ? 「あんたの趣味…か?」 「え?あー…え?」 きょどってるきょどってる。 ということは…オ・タ・ク!? 「お、おまっでぇ~!!」 「そ、そ、そんなんじゃねえよ」 「雄大くん。白状しなさい」 「え~?」 「じゃあ、バラしてもいいんだ?」 「わかった。わかったから。それから…誰にも言うなよ?」 そして雄大は白状した。 この趣味に目覚めたのは中学2年の時。 何も趣味がない雄大はひとつの漫画を手にした。 それが『メイド喫茶~お帰りなさいませご主人様~』だった。 それからハマリだしたらしく…。 今に当たるという流れだ。 計算すると2年もの間メイド喫茶のオタクということになる。 「…引いた?」 「何で?まあ、意外だなとは思ったけど」 大体そんなもんじゃない? 別に雄大みたいなオタクなら嫌じゃないけど。 メイド喫茶かあ…あたしには縁のない話だな。 「お帰りなさいませご主人様♥」 とか言わなきゃでしょ? キ、キモい…。 あー。メイド服とか着んのかな? 誰が着るんだろう。 自分だったりして。 いや、ないない。 ありえないでしょ。 うげ…。想像してしまった。 文化祭…嫌な予感がするのは気のせいですか?
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