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最悪の文化祭
11月6日―。
ついに来てしまった文化祭の日。
あたしはみんなにあの看板を見せることになってしまった。
「看板作ってみたんだけど…どうかな?」
『メイド喫茶~来てねご主人様♥~』
バーンと大きくインパクトのある文字。
ホントにこれでいいのか?
絶対引いてるよね?
だってみんな…口が…開いてる。
大丈夫か?
生きてるか?
ってなくらいに開いてる。
しかしみんなから思いもよらぬ言葉が…。
「これお前らが作ったの?」
「うん」
「やるじゃんか。これいいよ。リアルで。しかしホントにメイド喫茶にありそうな雰囲気だな」
そこには触れないでえ~。
平常心。平常心。
『お前のせいだからな』
『何で俺なんだよ』
『これ、あんたの趣味でしょうが』
そんなやりとりをしながら結局これでやることになった。
あれでよかったのか?
「なあ。なあ。メイドって誰やんのー?」
「あたしは嫌だよ」
「神崎ー。お前、やってみれば?」
は?な、なに言ってんだ。
絶対嫌だよ。
無理。無理。
あんな服着たくねー。
「いいかも。神崎ってかわいいもんな」
「メイド服似合いそう」
な、なにを言うかあんたらは!!
あたしをおちょくってんのか?
だったらやめてくれー。
似合わねーよ。
「きーまり。神崎と三浦と城之内と祐子で」
勝手に決めんな!!
そして人を巻き込むなー。
あたしの思いははかなく散り結局あたしたち4人でメイドをすることになってしまった。
衣装合わせをしたのはいいが…。
ああ。キモい。
「お帰りなさいませ。ご主人様♥」
なんて言ってみたけど。
やっぱり無理。
でも…あー!!
こうなったらやけくそじゃい!!
あたしは勢いよくカーテンを開いた。
「お帰りなさいませ。ご主人様♥」
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