孤独を知らなかった猫

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  夢だ。   台所に行けば、 主人がミルクを…、 居ない。   部屋に行けば、 主人が戯れて…、 居ない。   座布団に座れば、 主人が隣で鰹節を…、 居ない。   長靴に入っていれば、 猫じゃらしで誘って…、 くれるはず。 待っていよう。 十分… 二十分… 三十分…… と時間が経っても帰ってこない。   やがては、 眠気が襲って来て、 大きくなった体が窮屈な小さな長靴のなか、 僕はぐっすりと眠ってしまった。
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