孤独を知らなかった猫

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  「ただいま。あれ、久々じゃないか?窮屈だろうその長靴」   あれ、 主人が…、 そうか、 夢だったんだ。   あれは、 僕の悪夢だった。   小さな長靴からゆっくりと出て、 主人のもとへと駆け寄った。   「ふふ、ナガグツ。今日はプレゼントがあるんだ」   笑顔を見せる主人に、 安堵をして、 甘い声を漏らして主人を見つめる。   主人は大きな袋から、 袋と差程変わらない大きな箱を取り出した。     箱を床に置いて、 しゃがみ込み箱の蓋に手を当てる主人、 立ち上がってその中身をいち早くと、 眺める僕をニコニコ見つめる主人。   「じゃーん」   その言葉と同時に蓋を開く。   「大きな長靴~」   箱の中には、 青い大きな長靴でさっきまでの長靴とは違い、 窮屈では無さそうで、 とても気持ちよさそうだ。    僕はなんて幸せだろう。 こんなサプライズを受けたんだ。   今度、 茶虎に謝ろう。   そして、 言うんだ。 僕は、 出れないんじゃない。 此処が好きなんだ。 …と。
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