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「ふん、ふんふふ~ん♪」
鼻唄が聞こえてきた。しかも妙に聞き覚えのある声だ。
そいつの姿を見て確信を得た。あいつは野崎加奈子(のざきかなこ)。俺の同級生で、同じく美術部員。
「ふふふん~‥‥‥ってうわっ!?大丈夫ですか!?」
野崎はやっとすっころんでいる俺に気付いたようで、走り寄ってきた。
「大丈夫‥‥‥なんとか」
受け身も取れずに尻からこけた為、少し苦しげな声がでた。仕方ないけど。
「あれ?あなた、どうしてそんな格好してるの?」
あ、やべっ。
「ど、どうしてって‥‥‥何が?」
冷や汗が止まらない。やばい、気付かれる!?
「何がって、どうして『女の子』なのに男の子の制服着てるの?」
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