其の一 バレた!?

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「ふん、ふんふふ~ん♪」 鼻唄が聞こえてきた。しかも妙に聞き覚えのある声だ。 そいつの姿を見て確信を得た。あいつは野崎加奈子(のざきかなこ)。俺の同級生で、同じく美術部員。 「ふふふん~‥‥‥ってうわっ!?大丈夫ですか!?」 野崎はやっとすっころんでいる俺に気付いたようで、走り寄ってきた。 「大丈夫‥‥‥なんとか」 受け身も取れずに尻からこけた為、少し苦しげな声がでた。仕方ないけど。 「あれ?あなた、どうしてそんな格好してるの?」 あ、やべっ。 「ど、どうしてって‥‥‥何が?」 冷や汗が止まらない。やばい、気付かれる!? 「何がって、どうして『女の子』なのに男の子の制服着てるの?」
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