*プロローグ*

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「な、なんで…って」 嫌だ… この人達から目、離せない…。 なんで? 殺されちゃうかも知れないのに。 この人達、真剣だ…。 「怖い?」 「…はい」 「なにが?」 「死ぬのが…」 「そう」 私は鎌が小さい方の男の人に質問され、それに応えた。 すると、鎌が小さい方の男の人は困ったように鎌が大きい人の方を向いた。 「…だそうだけど、どうする?」 「どうする?じゃねぇよ。 大体、死にたい奴なんていねぇだろ」 あれ? 死神…って、死んだ人がなるんだよ、ね? じゃあ、この人達も? 「だよね。死にたいって言う人居るけど、死ぬ勇気なんてないよね。口先だけだよね。」 話の方向が少し変わってきたけど、殺されないならそれでもいいかな。 大体、死神なんてホントに実在するのかな? この人達だって、ただの作り物の鎌持って仮装してるだけかも知れなくない? 「で、だ。コイツ落ちたくないなら、俺が殺す。」 私がのんびりといろんなコトを考えていると大きな鎌を持ってる方の男の人が私にその鎌を向けて言った。 「落ちて なんて言われて、死ぬかも知れないのにそんなコト普通従う訳ないですよね!?」 お願いっ! 食い付いて! 私が逃げるまでで良いから、この話に食い付いて! 「ああ。そうだな」 「確かにね。」 謎の男の人達が私の言葉に相槌をした。 食い付いてくれた! コレで逃げれ… ―バンッ― 「逃げようとしてんのバレバレなんだよ」 「そうだよ。逃げるならもっとバレない様に逃げなきゃ。」 ないのね…。 私が謎の男の人達が相槌をしてくれている間にドアの方に行き、逃げようとしたけどドアをバンッと閉められ、ドアの前に謎の男の人達が立った。 やっぱり私はココで死んじゃうのかな。 「つーわけで、殺す。」 つーわけでってどういう訳ですか? …なんて呑気にそんなトコに突っ込んでる場合じゃなくて…。 「イヤ!待ってください。」 「ちっ。なんだよ」 あれ? 待ってって言ったらホントに待ってくれた…? この人達、ホントに殺そうとしてる? この人達はホントは優しいんじゃ…。 「私…貴方達が悪い人には見えないんです。」 「イヤ、うん。死神だしね。」 「ホントは優しい人なんじゃ…」 私がそう言うと鎌が大きい方の男の人は一瞬笑ったように見えたけどまた無表情になった。 「死神に優しさなんてないんだよ」 .
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