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[死神に優しさなんてないんだよ]
頭の中で鎌が大きい方の男の人が言った言葉が何度もリピートされる。
「嘘です。」
「嘘じゃない」
私の言葉に鎌が大きい方の男の人が素早く返事をした。
じゃあ…
なんで?
なんでなの?
「なんで…、貴方達辛そうなの?」
「はっ!
俺、別に辛くねぇけど。」
鎌が大きい方の男の人は私をバカにしたように言った。
この人、私が心配してるのに鼻で笑わなかった!?
なんて人…。
「んー。
俺も辛くないよ。」
鎌が小さい方の男の人はニッコリと笑いながら言った。
「てかっ!名前教えて、名前!!」
なんか鎌の大きさで2人を見分けてるけど、鎌の大きさイチイチ確かめるのって疲れるんだよね。
でも実際2人の見分け方見付けたから、名前教えてもらったらわかる様な気がするんだよね。
「はぁ?名前なんてどーせお前死ぬんだし、教えなくてもいーだろ」
「いーからっ!名前、名前っ!
私は雫!櫻井雫!」
なんだかさっきから鎌が大きい方の男の人が私に突っ掛かってる様な気がするけど気にしないことにした。
「知ってるよ。」
「へ…?」
私の名前…知ってるの…?
「俺は荒木神夜だよ」
まず名前を教えてくれたのは鎌が小さい方の男の人だった。
「…はぁ。
俺は荒木灰斗。」
神夜さんと灰斗さんか。
てかやっぱり同じ苗字なんだね。
「じゃあ、じゃあ!2人は兄弟なんですか?」
私は当たり前だと思うけどなんとなく聞いてみた。
なんか、楽しくなってきたかも。
「うん。」
そう答えてくれたのは神夜さん。
なんだか、2人共性格とか喋り方が違うんだよね。
あと、神夜さんは良く私にも笑ってくれて優しい感じがするけど灰斗さんは無表情でなんだか俺様系な気がする。
「やっぱり!
どっちがお兄ちゃんでどっちが弟!?」
私的には、やっぱり神夜さんがお兄ちゃんで灰斗さんが弟な気がするなぁ~。
だって私、優しくてカッコいいお兄ちゃんが欲しいんだもんっ!
「なぁ、コイツそろそろ殺していーか?」
いやいやいや!
なんでまたそっちに行くのかな、灰斗さんは…。
「まぁまぁ。
どーせ死ぬなら質問位答えてあげてからでもいいでしょ。」
私は助けてくれた!と思ったが、神夜さんは恐ろしいコトを言った。
助けてくれた訳じゃないんだね…。
大体なんで死ぬ前提なの…?
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