*ホントは…*

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「違う……んですけど…」 どうしよう…。 灰斗さんと神夜さん信じてるよ。 私なんであんなコト言っちゃったんだろ…。 「ふーん。」 「どっちでもいーんだけどね?その好きな人はいるの?」 灰斗さんは興味無いと言うように返事をし、神夜さんはニッコリ…イヤ、苦笑いしながら私に聞いてきた。 「え?イヤ、いません。」 「じゃあ、お前そんなコト言ったらいつ死ぬ?」 「なーんだ。てっきり彼氏でも好きな人でもいるのかと思ったんだけど、いないんだ。」 そう思われても仕方ないよね。 でも…私に好きな人なんていない。 絶対誰も好きにならない。 あの人以外は――…。 「いないよ。」 私はニッコリと2人に笑って言った。 「じゃ、俺のコト好きになってよ雫ちゃん」 …………………はい…? 「…神夜さん、すいませんもう一度言ってくれません?」 「あはは。 いいよー。 雫ちゃん 俺のコトを好きになってよ」 …………空耳…じゃないよね…………? 今、神夜さんが言ったよね? 聞き間違いじゃないよね…? まぁ、聞き間違いじゃないのは灰斗さんを見ればわかるんだけどね。 だって灰斗さん、ぽかんとしてるもん。 神夜さんなんてずっとニコニコしてるし…。 「…イヤ、あの…なんて言うか… 私、神夜さんのコト、何も知らないし…神夜さんを好きになるコトは出来ません。 だから… ごめんなさい。」 そう私は言ってからゆっくりとまた神夜さんを見た。 神夜さんは別に気にしてません。みたいな顔で今も尚ニコニコと笑っている。 「1日でもいいんだけどなぁ。」 …あぁ。なんかわかった。 きっと神夜さん、私をその1日で殺そうとしてるんだ。 灰斗さんも神夜さんの言葉の意味がわかったらしく納得していた様だった。 「それいーじゃん。」 「良くないです!」 灰斗さんは「楽しそう。」と言うようにいつもは無表情なのにニコッと子供みたいな無邪気な顔で笑った。 その笑顔に一瞬でもドキッとしたのは内緒です。 「だって雫ちゃん、好きな人に殺されたいんでしょ?」 「だ、から!それは違います!誤解です!」 「だから俺等には別に違くても違くなくてもどうでもいいんだよ。」 灰斗さんはそう言ってまた無表情に戻ってしまった。 …そうだよね。 灰斗さんと神夜さんは死神さんだもんね。 .
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