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そのメールを開くと『よかったら仲良くしてください』という内容だった。
可愛い犬の被り物をしたキャラクターがメールを運んできたらしい。どうしていいのかわからず、鈴那はとにかく友達になるという項目を選択した。
「意味わかんないな」
これでサイト上では友達になったらしい。相手はサイという名前で、プロフィールには同い年で銀行に勤めていることや、彼女はいないこと、血液型や誕生日、趣味などが書いてあった。
鈴那はまだ何も入力していない。する必要もないと思っていた。ユーザー名も鈴那ではなくズナにしていた。
「はぁ……なにやってんだろ……」
切なくなって携帯を閉じ、天井を見上げる。余計に気分が沈んで目を閉じた。まるでブラックホールに落ちていくようだ。
自分がどんどんダメになっていくように思えていたたまれなくなり、現実から逃避するようにベッドに潜り込んだ。
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