2915人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ……?」
突然の言葉に、鈴那は目を見開いた。
「すまないが、別れて欲しいんだ」
加藤の真剣な眼差しから、嘘をいっているのではないとわかる、しかし鈴那は、簡単に納得できるはずもない。
「待って。何言ってるの? 冗談だよね?」
思わず身を乗り出した鈴那は、胸元でシーツを力いっぱい握っていた。
「いや、嘘じゃない。本気だ」
「なんで? やだっ! 絶対に嫌!」
夢中で加藤の肩を掴んだが、彼は何も答えてくれず、ただ「すまない」というばかり。
「どうして? 悪い所があったら直すから」
鈴那が涙を浮かべそう訴えるも、加藤は視線を合わせようとしない。
「私なんだってするから。加藤さんの為になんでも……」
「そこが嫌だっていってるんだよ!」
いきなり声を張り上げた加藤は、鈴那の手を振り払い距離を置いた。
最初のコメントを投稿しよう!