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その距離は2メートルほど。しかし、鈴那はその距離がとてつもなく遠く感じた。鈴那はベッドの上で動けなくなり、ただ加藤を見つめることしかできなかった。 「もう、うんざりなんだ。お前は遊びだったんだよ。そんな事も気付かなかったのか? 俺はお前の体が目当てだったんだよ」  冷たい言葉を吐き捨てたが。それでも鈴那は納得できなかった。 「加藤さん……」 「だからきっぱり別れて欲しいんだ。というか、最初から付き合っていたつもりはなかったんだけどな」  鈴那は瞬きすら忘れ、呆然と加藤を見つめた。 「明日から仕事に来なくていい。これは手切れ金だ」  そう言って、加藤はベッドへ茶封筒を投げ捨てた。 「待って!」  鈴那は尚も涙を流し加藤を止めたが、「俺の前に二度と現れるんじゃないぞ」と冷たく言い放ち、部屋から出て行った。 「いやぁぁあ」 部屋には鈴那の叫び声だけが響いていた。
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