192人が本棚に入れています
本棚に追加
/291ページ
俺は、恋なんかもうしないと決めたはずだったんだ。
「あ、また変わってる」
放課後の教室。
友達の柚多が窓枠に頬杖を付きながら言った。
「何がだよ」
「藍月の彼女」
今回も美人だなーなんて呟く柚多が指差す先には、黒須高校の校門にいる他校の女子と
「……藍月朔也…」
艶やかな黒髪の男がいた。
由衣はその男、藍月を見て、顔を歪める。
藍月朔也。
端正な顔立ちに、高い身長と、女子にモテモテな男。
彼女はみんな可愛いうえに、コロコロとすぐにかわる。
気に食わない奴だ。
最初のコメントを投稿しよう!