気に入らない奴

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俺は、恋なんかもうしないと決めたはずだったんだ。 「あ、また変わってる」 放課後の教室。 友達の柚多が窓枠に頬杖を付きながら言った。 「何がだよ」 「藍月の彼女」 今回も美人だなーなんて呟く柚多が指差す先には、黒須高校の校門にいる他校の女子と 「……藍月朔也…」 艶やかな黒髪の男がいた。 由衣はその男、藍月を見て、顔を歪める。 藍月朔也。 端正な顔立ちに、高い身長と、女子にモテモテな男。 彼女はみんな可愛いうえに、コロコロとすぐにかわる。 気に食わない奴だ。
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