真実―魔王の勘違い―

3/6
前へ
/258ページ
次へ
「ならそこの水を持ってきてくれればいいじゃないですか。」 「残念ながらそれは出来ないんです。魂の泉は天界に属している聖域なので、悪魔が一歩足を踏み入れると、蒸発してしまうんです。だから直接アースさんに取りに行って頂くのが一番手っ取り早いんですよ。」 その後も色々議論したが、これといった進展は無かった。 そして結局、アースはシャンテと魂の水を求めて旅立つ事になった。 ―王都セント・クオーツ― 先ずは旅荷物を買う為に王都にやって来た。 「改めて言いますね!これからあなたの案内役を務めさせていただくシャンテです!よろしくお願いします!」 シャンテは人間年齢で表すと、十六歳でアースの一つ下だった。 身長は百六十そこそこで、少し小さめだった。 「こちらこそよろしく。」 アースは内心シャンテを信用していなかった。 自分に呪いをかけた相手の手下なんかに簡単に心を開く事が出来なかった。 とその時、 「おーい」 と呼ばれ、アース達が後ろを振り返ると、そこには、いつの間にか人だかりが出来ていた。大体二十人位だろうか。 「アース!俺達も着いて行くぜ!」 そこに集まったのはアースの友達だった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

230人が本棚に入れています
本棚に追加