230人が本棚に入れています
本棚に追加
「どんな事をしても?」
「どんな事をしてもだ。たとえ人を殺してでも生き残って無事に帰って来てくれ。」
「・・・分かった。」
父の言う事はいつも正しかった。
けれど、どんな事をしても生き残る。
それは本当に正しいのか?
人を殺してでも生き残る事が本当に善い事なんだろうか?
アースはいつの間にか眠りについていた。
「アース早く起きなさい!」
アースはいつも通りミュールに起こされた。
「うぃ?もう朝?まだ寝たいよ。」
「何寝ぼけた事言ってるの!今日はあなたの出発の日でしょ!」
「そういえばそうだね。じゃあお休み。」
「いい加減にしなさい!」
ミュールに毛布を引き剥がされ、渋々起きた。
リビングに着くと、シャンテとヴィッセルがすでに起きていた。
「オハヨー。」
「あっおはようございます。」
「おはようアース。」
毎日の何気ない挨拶。
当たり前過ぎて忘れてしまっている、大切なコミュニケーション。
今のアースにはとても尊い時間。
最初のコメントを投稿しよう!