忘れられたオレはお前を憎む

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「どんな事をしても?」 「どんな事をしてもだ。たとえ人を殺してでも生き残って無事に帰って来てくれ。」 「・・・分かった。」 父の言う事はいつも正しかった。 けれど、どんな事をしても生き残る。 それは本当に正しいのか? 人を殺してでも生き残る事が本当に善い事なんだろうか? アースはいつの間にか眠りについていた。 「アース早く起きなさい!」 アースはいつも通りミュールに起こされた。 「うぃ?もう朝?まだ寝たいよ。」 「何寝ぼけた事言ってるの!今日はあなたの出発の日でしょ!」 「そういえばそうだね。じゃあお休み。」 「いい加減にしなさい!」 ミュールに毛布を引き剥がされ、渋々起きた。 リビングに着くと、シャンテとヴィッセルがすでに起きていた。 「オハヨー。」 「あっおはようございます。」 「おはようアース。」 毎日の何気ない挨拶。 当たり前過ぎて忘れてしまっている、大切なコミュニケーション。 今のアースにはとても尊い時間。
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