忘れられたオレはお前を憎む

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挨拶も早々に、アースは食事を始めた。 メニューはベーコン、玉子のスープだった。 今日のメニューはいつもより豪華だった。 「ごちそうさま~。」 ミュールの作る料理はおいしいものばかりで、食べるのに大して時間がかからない。 「食べ終わったのなら、出発の準備をしなさい。」 「分かってるよ。」 アースは出発の準備をするのが憂鬱になってきた。 これから家族と離れ、まだ気の許せない相手と一緒に旅に出るのは正直嫌だった。 (まぁ禿げたくないから行くけどさ) 確認だが、アースは魔王に「三ヶ月で禿げる」呪いをかけられている。 「アースさん準備ははかどってますか?」 「うーんいまいち。」 「なら、手伝いますよ。」 「いやっ大丈夫だからリビングに居てくれ。すぐに行くから。」 「そうですか・・・まぁ何かあったら呼んで下さいね。」 「分かった。」 アース自身、シャンテが悪い奴とは思ってなかった。 ただ、悪魔だからという理由であまり親しくしようとしなかった。
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