ある日、魔王、真実に気付く

6/6
230人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
―呪術室― 呪いをかけるには、呪いを掛けたい相手を記入したハガキをポストに投函し、切符がわりに魔力を込めるのである。 「あり?今の国王ってなんて名前なんだ?」 「今最新の住民票を手配しました。後は一人でも出来ますよね?」 「余裕~。」 「それではしばらく散歩に行ってきます。」 小一時間程経って、家来の悪魔が住民票を持って来た。 「えぇと今の国王は・・・(やっぱり一番最初に名前が載ってる奴だよなぁ?)アースって奴だな!ん?どっかで聞いた事があるような・・・?まぁいいか。」 魔王は住民票の見方を知らなかった。 「住所も書いたし、これでOKだ。後はどんな呪いをかけるかだな・・・よし!きーめた!」 ポストに投函し、満足気に椅子の座っていると、ヴェイスが声をかけて来た。 「ちゃんと国王の名前間違えずに書きましたか?」 「あぁ住民票の一番最初に載ってる奴でしょ?ちゃんと書いたよ。」 「は?何を言っているんですか?一番最初に載ってる人は国王ではありませんよ?」 「えっ?嘘!?マジで?」 「一体どんな呪いをかけたんですか?」 「三ヶ月で禿げる呪い。我ながら性も無い呪いをかけたと思うよ。」 自分の君主に心底呆れるヴェイスでした。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!