1.動きだす闇

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「ようこそ。我が屋敷へ。」 重々しい声で、 イカの姿をした怪物――シタリへと言葉を返したのは、 部屋の一番奥で椅子に腰掛けていた存在――テラードーパントだった。 (人間のくせにドウコク並の重圧をあたしに感じさせるなんて…生意気なやつだねぇ。) シタリは後ろにある棚と壁のすき間をチラリと見て思う。 ぼんやりと赤く光るその向こう側には、 自らの住家と従っている大将がいるのだ。 「そんなあいさついらないよ。……で、なんの用なんだい。わざわざあたしが出向いたんだ。たいしたことじゃなかったら…わかってるんだろうね。」
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