216人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「ようこそ。我が屋敷へ。」
重々しい声で、
イカの姿をした怪物――シタリへと言葉を返したのは、
部屋の一番奥で椅子に腰掛けていた存在――テラードーパントだった。
(人間のくせにドウコク並の重圧をあたしに感じさせるなんて…生意気なやつだねぇ。)
シタリは後ろにある棚と壁のすき間をチラリと見て思う。
ぼんやりと赤く光るその向こう側には、
自らの住家と従っている大将がいるのだ。
「そんなあいさついらないよ。……で、なんの用なんだい。わざわざあたしが出向いたんだ。たいしたことじゃなかったら…わかってるんだろうね。」
最初のコメントを投稿しよう!