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「もちろんだ。退屈はさせんよ。あなた方にとっても、わが園咲家にとっても重要なことだからね。だから、こうして家族みんなで出迎えているんだ。」
「チッ、ホント迷惑。お仕事だってありますのに…。」
部屋のすみで、人形のような姿の怪人――クレイドールドーパントが小声で悪態をつく。
「ふん。だったらいいけどね。それならさっさとその重要な話とやらを聞かせてもらおうかい。」
「そうだな。だが、その前に若菜、もう下がりなさい。…仕事もあるんだろう。」
と、テラードーパントは、椅子から立ち上がりながら近くにいた、自分の娘に優しく声をかける。
「え…えぇ、お父様。そうしますわ。」
と、言いクレイドールドーパントは扉へと向かう。
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