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「あたし、告えない」
「………………」
「だって、あたし、傷つけた、高ちゃんを。
高ちゃんを信じなきゃって、わかって、いたのに…………ごめんねっ!本当にごめんね!」
彼女がやっと俺と視線を合わせてくれる。
でも俺が見たい笑顔じゃない。
また泣いてる。
「……謝ってほしくない。
俺のほしいものはそれじゃない」
たまらなくなって柚のシートベルトを外し、そっと抱き寄せる。
「ふぇ…………高ちゃ……いっていいの?」
「告え」
腕の中の柚が暖かくて、華奢すぎて、めちゃくちゃにしたくなる。
「すき。すきだよ、たかちゃん!」
泣きながら言うから、感情が節々に迸って(ほとばしって)俺をさらに切なくさせた。
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