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「あれは言葉の綾って言うか…………本気じゃないよ」
「……あのときは本気でへこんだ。
好かれてる気がまるでなかった。
だから…………」
「きゃあっ」
そこで言葉を切った彼は、あたしを軽々と持ち上げてベッドのふちに座らせた。
自分はベッドの下に座って、あたしを下から見上げる。
「今日、お前の気持ちを俺にくれ」
「え、あ、高ちゃ……」
急に近づいてきた彼にビックリしたあたしは、高ちゃんの名前を呼ぶ。
しかし、これ以上話させないとでも言うように高ちゃんは下からあたしの唇をふさいだ。
「……ん…や、たかちゃ…息、できな……」
今日はたぶん3回目。
1度めも2度めも触れるだけのキスだったから、慣れない息苦しさに戸惑う。
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