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あたしはカウンターの向かいにあるたくさんの個人椅子からあたし専用の椅子を引っ張り出し、座った。
左から3つめ。
一番落ち着く、一番座り心地のいい椅子。
「寒かったぁ。もうすぐお正月だよ、高ちゃん。めっちゃ寒い」
はあはあ、と手に息を吹き掛けると、トンというキレのいい音と共にテーブルにティーカップが置かれた。
「ったく。そんな寒いなら来んなよ」
眉一つ動かさず高ちゃんが置いてくれたティーカップからは熱々の湯気。
中からふんわり、コーヒーの香り。
「ありがと、高ちゃん!」
あたしはそれをそうっと口に運ぶ。
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