そこはキレイな喫茶店

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「美味しい」 「…相変わらず、お前はうまそうに飲むよな…。 だからってただ食いばっかしてんじゃねぇぞ」 そんなあたしをカウンターから眺めながら、高ちゃんが言う。 「うん、わかってる」 熱々のコーヒーで体を暖めながらあたしは答えた。 イケメン、無表情、口が悪いこの男は、紛れもなくここのマスター。 そしてあたしはお客様、なんだけど、あたしはめったにお代を払わない。 その代わり、このお店のポスターを作ったり配ったり、たまにはバイトもする。 買い出しにもいくし、高ちゃんの話し相手にもなる。 そんなわけであたしはここに居心地のよさを感じていた。  
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