プロローグ

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サクラの横暴な振る舞いをやんわりと注意した後、買ってきた食材を冷蔵庫に入れ始めるマスターにちょこちょことついて回るのがイエローこときいろちゃん。 この荒んだ情報社会にひと雫の清涼剤をと神様が落としてくれた至宝である。 彼女はふんわりと巻いた茶色い髪を揺らしてマスターのお手伝いを始めた。 見ろよサクラ。あれが女の子の理想型だ。お前みたいなのはあれだ、野獣だ野獣。 なんてことを考えていると、サクラが威嚇の目を向けてきた。文章で書くならナレーションの部分も彼女に対して逆らえないオレの立場ってなんなんでしょうかね。 「レッドさん、お楽しみのところ申し訳ないのですが仕込みの手伝いをお願いできますか?」 厨房からマスターの声が聞こえたので、オレは立ち上がりサクラから目を逸らした。未だに背後に視線を感じるが、無視しよう無視。恐怖で背中の冷や汗が尋常じゃないのは内緒だ。
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