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「広瀬くん、好きです!私と付き合って下さい!」
グラウンドでいきなりの告白。
(またか。)
広瀬恭介(ひろせきょうすけ)
高校二年生。顔よし、スタイルよしのサッカー部員。
それだけのステータスがあれば言い寄ってくる輩も少なくはない。
(つか、誰だよコイツ…。)
恭介の目の前で純粋そうな女の子が彼の返事を顔を真っ赤にして待っている。
「あ、あぁ…悪いな。今彼女いるんだよ。」
申し訳なさそうな顔で恭介は女の子に告げた。
「あ、そ、う…なんだ…。わかった…ごめんねっ。」
女の子はそう言って走り去った。
「めんどくせ。」
溜め息混じりに恭介が呟いた。
「なんだ、またお前告られてたのか!」
高橋尚也(たかはしなおや)
高校三年生。サッカー部部長で恭介の先輩。
爽やかな笑顔で若干脳天気。
「見てたんすか。」
「なんだよ、つれないな~。」
尚也は笑いながら恭介の肩に腕を回す。
「恭介はモテていいな~。羨ましいぜ。」
「いい加減うんざりですよ。」
自分の肩に回された腕を外して恭介は溜め息をついた。
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