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「…今さちょっと気になる人がいるんだよな。」
理人の顔を思い浮かべポツリと呟いた。
「へぇ~お前が他人が気になるなんて珍しいな。恋か?」
正樹は机に張りついている恭介の顔を覗き込んだ。
「ん~わかんね。でもその人が他の男と喋ってんの見るとイライラする。どうしたいのかわかんなくてモヤモヤする。」
「そうか、そうか。」
正樹がニヤニヤしながら恭介の頭をポンポン叩いた。
「広瀬は一生そういうことで悩まないかと思ってたぜ。
でもまぁ、俺が思うにお前はその人のことを独占したいんだろうなー。」
「独占?」
恭介は正樹を見つめた。
「そーそー。他の奴と喋ってんのが嫌なんだろ。
それって自分だけ見てほしいってことじゃね?
その人のことを独り占めしたいんだよ。」
正樹はにっと笑った。
「斎藤…。」
恭介は正樹をじっと見つめた。
「なんだよ、
礼ならいらねーぞ?(笑)」
「いや、お前モテないくせに詳しいな、そういうの。」
「おい!」
恭介はガタッと音を立てて立ち上がった。
「ま、ちょっとすっきりした。サンキューな。」
恭介は笑って教室を後にした。
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