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「もう大丈夫だ。」
しばらくすると理人が恭介の手を自ら外した。
(終わった…かな。そんな気がする。またいつもの澄ました表情に戻っているんだろうな。)
恭介は理人の顔を見るのが少し怖かった。
「…………と。」
理人が小さくつぶやいた。
「え、なんですか?」
恭介が聞き返した。
「ホントは…泣く気なんかなかった…。でも…お前の顔見たら何故か安心して…。」
「え…。」
恭介は驚いて理人を見ると
理人は顔を真っ赤にして俯いていた。
理人はまだしっかりと恭介の服を握り締めていた。
(可愛い…。)
たまらず恭介は理人をギュッと抱き締めた。
抱き締められた理人も何も言わずに恭介の背中に手を回し抱き締め返した。
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