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それから幾日たった頃
チャララ~♪
恭介の携帯のメール受信音が鳴った。
流れたのは恭介のお気に入りのアーティストのバラード曲だった。
ディスプレーには理人の名前。
恭介と理人の沈黙したような関係を最初に打ち破ったのは理人の方だった。
恭介は慌てて携帯を開いた。
理人からのメールの内容は
『明日の放課後、体育館倉庫に来てほしい。』
顔文字や絵文字もないシンプルな文面。
「先輩らしい…。」
思わずそう呟いた。
恭介の自然と表情が綻ぶ。
(あれ…?)
ふとまだメール画面が下にスクロール出来ることに気づいた。
『待ってるからな。』
カッと顔が熱くなる。
(先輩可愛すぎ…。)
恭介はギュッと携帯を握り締めてその場にうずくまった。
(明日、何言われんのかな~。)
正直、恭介は不安でいっぱいだった。
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