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理人はバッと顔を上げて恭介の顔を見つめた。
「俺、広瀬のことが好きだ。俺には広瀬が必要なんだ。」
「え…?」
理人は顔を真っ赤にして恭介を見つめていた。
「すまない…。」
何も言わない恭介に理人は謝った。
恭介は理人をギュッと抱き締めた。
「なんで謝るんですか。」
「だって尚也への想いが届かないからと言って広瀬のことずっと利用してたみたいで…。」
理人もギュッと恭介を抱き締め返した。
「そんなことあるわけないじゃないですか。」
恭介は喜びに声を張り上げる。
理人を抱き締める腕の力がよりいっそう強くなった。
「俺、すげぇ嬉しい。いつからそんな風に想ってくれてたんですか。」
「わからない。でも気づいたらずっと広瀬のことを考えてた。でも尚也の代わりじゃなくなったらもう一緒にいれなくなると思って言えなかった…。」
小さな声で理人が言った。
(可愛い…。)
恭介は自分の腕の中にいる彼が愛しくて愛しくてたまらなかった。
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