がんばれアキ(一限目)

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アキ「……しくしくしくしく」 ハル「やべぇ、ナツ。アキがくそうぜぇんだけど」 ナツ「まあまあ。そうイライラしなさんなって」 アキ「……しくしくしくしく」 ハル「げ。一限体育じゃねーか」 ナツ「そう言えば数学と入れ替わりだったね」 ハル「おう、早く着替えて行こーぜ。後俺ら三人だけなんだけど」 ナツ「あらら。みんな冷たいね、のほほんとしてる間に置いてっちゃって」 ハル「いいから急げ!後一分しかねぇぞ」 アキ「……しくしくしくしく」 ナツ「アキはどーすんの?置いていく?」 ハル「ま、ほたってたら来んじゃねーの?」 ナツ「そっか。じゃ、アキ先に行ってるね」 ガラガラ パタン アキ「やっぱり、恋は友情よりも強しなのか……」 5分後 ガラガラ ナツ「あ、やっと出てきたー」 ハル「てめ、おせーよ!チャイム鳴ったじゃねーかっ」 アキ「……ふ、ふたりともずっとここで待っててくれたの?」 ナツ「当たり前じゃん」 ハル「そうそう当たり前だろ?」 アキ「……うぅー」 ハル「おし行くぜ」 ナツ・アキ「おー」 ハル「あーよかった。これで全部アキのせいにすれば俺らの責められる理由はなしだ」 アキ「……ん?」 ナツ「そうだねぇ」 アキ「……ん?ん?」 ハル・ナツ「そーいう訳で、がんばれアキ!」 アキ「うわああぁあん!このホモカップルめーーーッ!」 ハル「お、おいてめ!ちょっ、待て!……ったく大声であんなこと言いやがって」 ナツ「ま、いんでないの?ほら、早くしないと鳥辺(熱血体育教師)カンカンなんだけど」 ハル「まじ。校庭から叫んでんな」 ナツ「心なしかみんなの声援も聞こえるよね」 ハル「誰への?」 ナツ「おれたちへの」 ハル「……」 ナツ「……?」 ハル「俺、生まれ変わったらお前とは絶対関わらねぇ」 ナツ「え!?なんで!ひどいなーハーちゃんはー」 ハル「そのあだ名は出すな!」 ゴンッ ナツ「いてっ!容赦ねぇー!」 鳥辺「コルァー学校内でイチャつくなー!」 今日も平和な1日である。
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