第二夜 「子供らしさ」

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「そーちゃんは美人だよ!」 無邪気に笑う沙夜の瞳には先程の冷めた目は影もない。 こんな無邪気に笑う沙夜が、あんな表情をするなど、例え先程の目を見ていても気の所為にするだろう。 沖田もその1人で、沙夜の言葉に咽て涙目になっている。 「そ、そうかなぁ? 沙夜ちゃんも大人になれば美人になりますよ。」 普段なら、あまり嬉しくない言葉に理不尽に怒りそうになるのを堪え、なんとか笑みを作る。 沖田自身気付いているが、頬が引き攣って情けない表情になっている。 落ち着く為にお茶で喉を慣らし、1息吐く。 団子は最後の1個だったらしく、串だけ皿に置かれていた。 沖田が落ち着いたのを見計らって、沙夜が口を開く。 2つ残った団子を皿に置き、沖田を見据える。 大人びた表情と子供の無邪気な笑み、どちらが本性か、なんて考えたくもないが、出来れば後者であって欲しいと思いながら向き合う。 何か、背徳を犯すような罪悪感が背筋から這ってくる気がした。 それを呑み込み頭から流し、沖田はやっとの思いで声を出す。 「何を…ですか?」 「そーちゃんが沙夜を疑ってるの。」 瞬間頭痛がした。 間髪入れずに返す沙夜は、本当に子供か。 たじろぐも、取り繕う為に言葉を紡ぐ。 「何の事ですか?」   
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