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帰るや否や、沙夜は屯所中に響く大きな声で原田を呼んだ。
そして原だが何事かと駆けつける姿を捉えると、沖田と繋いでいた手を離し、沙夜も駆けて行った。
その勢いのまま原田の首に飛びついた。
無論沙夜が来ると分かった原田は、身を屈め待ち構えていたのだが。
「ただいまぁ!」
原田は余りの勢いに苦笑しつつ、お帰りと返した。
それに満足した沙夜は、原田の首から離れ屯所の中へとさっさと戻って行った。
原田はその後を追いかける。
その一部始終を見ていた沖田は、夕闇に佇みながら思いを巡らせた。
「あの子は違う…。」
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