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何故芹沢が鉄扇を振り下ろさなかったか。
それは、沙夜が芹沢をじっと冷めた眼で見たからだ。
というのは、怯えず眼だけで止める何か威圧的なモノを感じたという事だ。
そして、止められた鉄扇を見て薄く笑った沙夜に興味を持ったのだ。
「そうか、お主気に入った。
わしは芹沢鴨、ここの筆頭局長だ。」
ニヤリ、と笑んで沙夜と横切って行くと、周りの傍観していた男達も後を追い去って行った。
芹沢等一行が去るや否や、沖田は慌てて沙夜に駆け寄った。
「沙夜ちゃん!
大丈夫でしたか?怪我は?
怖くありませんでしたか?」
矢継ぎ早に捲し立てる沖田に沙夜は目をぱちくりさせた。
あまりもの勢いに何が起きたか分かってないようだ。
しかし、沖田を沖田と認識するとニコリと笑った。
いつもの可愛らしい笑顔だ。
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