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「了解しました!
引き続き門番の任に当たります!」
土方の出す不機嫌なオーラに気圧されながら門番はハキハキと言葉を言い立ち去った。
門番は、部屋を出た途端の脱力感を背にはっきりと目を覚ましたのを感じていた。
しかし、そのまま門へとダルそうに向かった。
「ったく、朝から面倒事は御免だぜ…。」
土方は綺麗な布団に寝かせた少女を見ながら、一つ大きな欠伸を零した。
陽が山から顔を出し、空に赤みが掛かった。
それを眺め微笑むと、少女に視線を戻した。
「ん?これは…。」
土方は少女の手に持つ物を見た。
しっかりと握られているそれには“女中求む”の文字が書かれていた。
「………。」
土方はその紙を忌々しそうに睨み付け、盛大な溜め息を吐いた。
それに反応して少女は身じろぐ。
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