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「……だぁれ?」
舌っ足らずな声で三人はハッと我に返った。
「俺は原田左之助だ。
嬢ちゃんの名前は?」
背の高い男の優し気な声に少女はふわりと笑って言った。
「沙夜。
さぁちゃんの名前は沙夜。」
沙夜と名乗る少女は、言いながらも時節襖を気にし、チラチラ見る。
今来るであろう食べ物を気にしているのだろう。
「俺は藤堂平助。
宜しくな!」
二カッと笑う仕草に沙夜も笑顔を見せる。
この中では一番背が低くて童顔の彼に親しみを覚えたようだ。
「俺は永倉新八。
宜しくな、沙夜。」
永倉はくしゃりと沙夜の頭をひと撫でし、人の良い笑みを浮かべた。
襖に気を集中させていた沙夜は、一瞬驚いた表情を見せたが、すぐ笑みを返した。
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