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その先輩は優しく笑っている。葉月は妙な、気持ちがする。すると
「じゃあ俺行くから、また仮入おいで。」
「あ、はい」
その先輩は、どこかに行ってしまった。
なんだろう?あたし…なんか変だ。気持ちが落ち着かないよ。え、何これ…凄く嬉しいんだけど。なんで?それと凄く、恥ずかしい。どうしちゃったんだろ…。
葉月は不思議な気持ちのまま、教室に戻った。
「心配しちゃったよ、遅いんだもん!何してたの?探しに行こうかと思ったよ。」
「あ~うん…ごめん。」
「どうしたの?なんかあったの?」
「なんでもないよ。ただ、下で軽音楽の先輩に逢っただけ。」
「あ~そう。よかった、ボーっとしてるから熱でもあるのかと思ったよ」
「ううん大丈夫だから」
葉月はそのまま、自分の席に座った。ずっと、目がさえなかった。何度も頭によぎるのが、あの先輩の優しい笑顔だった。授業中も集中できない。そして四時間目が、終わる頃に葉月はずっと窓の外を見ていた。
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