プロローグ

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「ねぇ…お姉ちゃんって死ぬの?」 ココは病院のベッド 俺はまだ完全に足が届かないイスに座り、足をブラブラしながらベッドに横になっている姉貴に聞いた 「何を藪から棒に」 毛糸の帽子を被っているその中には髪はない だから、痒いのだろうか? 何回も頭を掻いている 「だって、お母さん達が話してたんだもん」 俺がそう言うと姉貴はゆっくりとため息を吐く 「まぁーあと一週間ってもんなんじゃない」 この時姉貴はガンにかかっていた 「死んだら何処へ行くの?」 けど、俺はまだこの時、小3だったから死ぬって事をよくわかってなかったと思う 「う~ん…天国とかかな?」 「天国?何ソレ?何処の国?」 「空の国?かな。お腹も空かないし、疲れないんだよ…たぶん」 今、思えば俺は残酷だったかもしれない 「じゃあ…お姉ちゃんメロンパンもう食べれないじゃん」 これから死ぬ人に死ぬ後の事を聞いて 「うん。って言っても今もう食べられないけどね…」 「じゃあさ、僕が毎日お姉ちゃんの分まで食べるよ」 「お~。ありがとう。じゃあさ…毎日食べなきゃお姉ちゃんお前を呪ってでるからね」 たぶん。姉貴の冗談だったと思う けど、小さい頃の無知な俺はそれを信じきった 真剣な顔で頷く俺 それから一週間もたたないうちに姉貴は亡くなった 。
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