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~羽根~
小さい頃の戯言
この広い空を飛びたいねって
あの頃は純粋に
夢を夢見てたようだ
中学を卒業した頃
夢は夢にしかすぎないと気付いた
高校に入学した
半分社会人のような曖昧な世界
大人になりきることも許されず
餓鬼に成り下がることも蔑まれ
必死にもがいた
もがいた結果行き着いた先は
4階建ての学校の屋上
誰もこない
1人だけになれるこの空間が大好きで
もがくことに疲れたとき
いつもここで安らぎを得た
ここは僕の精神安定剤のような場所になった
ある日、堕落した世界から逃げ遅れた
急いであの場所に行ったけど、もう無理だった
遠い昔の どうでもいいことを思い出した
「空を飛びたいね」っていうあの戯言
今なら飛べると確信した
僕には羽根があるから
自分の存在理由を捨てることで得られる羽根が
さぁ飛ぼう!
この救いようのない世界から逃げ出すために
追伸:僕の羽根は未完成だったようです
次こそ失敗しないようにしなきゃ
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