序章

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寧ろ、ヒデは殆ど漫画を読まないのだ。 ヒデはどちらかと言えば、小説を主に読むタイプだ。 従って漫画を読んでいたのは、まだ小さかった時だけであった。 ヒデは、早速辺りの本を探り出し、どの漫画にしようかと決めている。 久々に立ち寄った漫画コーナー、 子供の時に比べると、驚くほど本が増えていた。 1分、また1分と時間が経っていく。 「そろそろ店じまいだよー」 本屋は、もうじき閉店時間を迎えようとしていた。 その時、 ようやく決まったのか、「じゃあー、これにするね」 ヒデが買ったのは、単行本であった。 よくあるコミックのような見てくれ、少し古い感じがする。 こうして、目的の品を買ったヒデは、 おじさんに別れを告げ、いちもくさんに店を後にした。 ━━この本が後に、ヒデの運命を左右するとは、まだ知る由もなかった━━━ 「うわぁ、もうこんなに暗くなってる」 ヒデが本探しをしていた数分のうちに、薄暗い空が一面闇に変わっていた。 こりゃまずいぞ、とばかりに、多少スピードを上げて走って帰った。 「ただいまー」 本屋を出て18分、ようやく家に到着。 「もうごはん出来てるわよー」 「はーい」 だがひとまず、キッチンを後にし、 自分の部屋に行くことにした。
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