序章

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部屋にはいり、 早速買ってきた漫画を見てみる。 買ったときに表紙をよく見ていなかったので見てみる。 …!これは… 確か、最近の漫画だった気がする。 「…?本の題名はどこに?」 不思議な事に、 有るはずの本のタイトルがないのだ。 「あれ?どこかに載ってるはずなんだけどなぁ…?」 何度見ても、 何処にも描いてないのである。 普通ならどの本にも書いてあるタイトルが。 「まっ、良いか!」 面倒になったので、とりあえず、中身を見てみることにした。 意外と普通の漫画だった。 いや、そうでないと逆に困る。 タイトルが無い上に変な漫画ならどうしようかと考えそうになる。 中を見ているうちに、何故か、本がだんだんと大きくなっていくような錯覚に襲われる。 「む?気のせいか…?」 いや、…気のせいなんかではない! 本が…自分を吸い込もうとしてるではないか!! 「な…なんじゃこりゃぁぁぁあ!?」 何だ? どこぞのファンタジー物の1シーンでも再現しようとしているのか、と、 現実逃避なんぞやってる場合じゃない。 紛れもなく、 ヒデが、今本に吸い込まれていると言う真実がそこにはある。 声にならない悲鳴をあげながら、 そのうちヒデは、意識を段々と失っていく自分を見た。 … … … 暫く経ってから、ヒデは長い気絶から目を覚ました。 "漫画の中"という、現実とかけ離れた世界で。
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