1章~モノクロ~

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「……うにゅ??」 目を覚ましたヒデが、微かに唸る。 一通り周りを見渡す。 だが、そこに、今までいたはずの自分の部屋はなかった。 目に映るのは、どこかの道の一角、 そして、モノクロな風景。 ━━━そこには、白黒意外の「色」が無かった。 目に映るもの全てが白黒なのである。 「………何が起きたんだ??」 暫く、自分の身になにが起きたのか、 その時は、全く知る由もなかった━━ だが、その答えは、すぐに解った…… ヒデは、自分の体を見てみる。 この時点で、自分はどうなったかを知った。 「……な、ななななななななな何ぃぃ!??」 ヒデの目には、黒い線が幾度にも重なった手足が見える。 何度目を擦ってみて見ても、 そこには、透き通った線だけの手足が見えるのである。 ━━僕は今、漫画の中にいるんだ。 そう考えれば、ほかの謎も説明が付く。 自分が倒れていた場所、 ━━地面、街灯、煉瓦積の壁、電柱、そしてゴミ箱や、影などに至る全てのもの。 全て何本もの「線」で出来ていた。 これは確か、本に吸い込まれる前に、 自分が見開いていたページの一場面だったような……?? 曖昧な記憶を、一生懸命探ってみる。
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