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「……うにゅ??」
目を覚ましたヒデが、微かに唸る。
一通り周りを見渡す。
だが、そこに、今までいたはずの自分の部屋はなかった。
目に映るのは、どこかの道の一角、
そして、モノクロな風景。
━━━そこには、白黒意外の「色」が無かった。
目に映るもの全てが白黒なのである。
「………何が起きたんだ??」
暫く、自分の身になにが起きたのか、
その時は、全く知る由もなかった━━
だが、その答えは、すぐに解った……
ヒデは、自分の体を見てみる。
この時点で、自分はどうなったかを知った。
「……な、ななななななななな何ぃぃ!??」
ヒデの目には、黒い線が幾度にも重なった手足が見える。
何度目を擦ってみて見ても、
そこには、透き通った線だけの手足が見えるのである。
━━僕は今、漫画の中にいるんだ。
そう考えれば、ほかの謎も説明が付く。
自分が倒れていた場所、
━━地面、街灯、煉瓦積の壁、電柱、そしてゴミ箱や、影などに至る全てのもの。
全て何本もの「線」で出来ていた。
これは確か、本に吸い込まれる前に、
自分が見開いていたページの一場面だったような……??
曖昧な記憶を、一生懸命探ってみる。
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