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「何だよ!何でそんなにシンデレラには優しいんだよっ」
ライが喚く。
「………」
ルークは何も言わずに部屋を出て行った。
「何だ、無視かっ!?無視か!……うわぁんルークぅぅ!謝るからっ!怒んないでよぉ」
ライはルークのあとを追いかけ飛び出していった。
子供か、全く…ライはほんとに馬鹿だ。
「じゃ、明日楽しみにしてるわね…あぁそう、そろそろ朝食作ってくれるかしら」
ふふっと笑って、リオンは静かに部屋を出て行った。
「行かないって言ってるのにっ…!」
こんなもん着て舞踏会なんか行くくらいなら死んだほうがましだ!
こんなもん、捨ててやる!
…なんて、そんなことするほどひどい人間じゃない。
でも嫌だ!絶対行かないしっ!!
――――
「いーやーだー!!」
とうとう舞踏会当日になってしまった。
俺は継母と義理の姉その2に、無理矢理ドレスを着させられそうになっている。
「往生際が悪いわよ、シンデレラ!」
「嫌なもんは嫌だ!!」
「シンデレラ!」
「やだ!!!」
そんなやりとりが1時間くらい続いた。そして折れたのはまたもや継母のほう。勝った。
「仕方ないわね…そんなに嫌ならもういいわ」
継母のその一言に、ホッと胸を撫で下ろした。
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