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「そのかわりちゃんと留守番してなさいよ」
「はいはい」
「…仕事終わらせてなかったらぶっ殺すぞ」
ただならぬ殺気を漂わせ、俺の耳元で恐ろしい言葉を呟いた継母。
あー怖い怖い。
「…わかってますよ」
「じゃ行ってくるわね」
「行ってらっしゃい、お母様、ライお姉様、ルークお姉様」
「じゃあね、シンデレラッ」
三人を笑顔で送り出した俺は、散歩でもしようかと中庭に出た。
「は~ぁ…仕事めんどくせ」
ぶつぶつ呟きながらベンチに座ったその時。
「こんばんは☆」
…?
…☆?
「嗚呼、なんて可哀相なシンデレラ…」
…誰?
俺の目の前に現れたのはちょっとぽっちゃりとした人だった。
「どちら様ですか…?」
恐る恐る尋ねてみた。
もしかしたらちょっと頭がいってしまわれたのかもしれない…!
「あら、自己紹介が遅れたわね…私は、魔法使いのルーシィよ☆」
「あの…女性の方ですよね?」
「当たり前でしょうこの私が男に見える!?」
あぁ…よかった。
リオンみたいな奴だったらどうしようかと思った…
ちゃんとした女の人だ。
「それで…どんな御用でしょうか…?」
「可哀相な貴方を舞踏会へ連れていって差し上げるわ」
「…へ?」
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