その手を引く者などいない

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亜希子と鈴科クザンの乗るバイクは走り出す。 未確認災害の発生現場へ… 未確認災害… これが発生する度に、鈴科クザンの脳裏にはある日の事件の記憶がよぎる。 ……… ある日の学園都市のとある場所… 一人の金髪の少女とその目の前で倒れて身動きのとれない女性。 …そして、その少女と対峙する鈴科クザン。 恐らく倒れている女性は芳香であろう。 少女の周りは異様な頭痛を伴うAIM拡散力場を形成している。 幻覚だろうか… 目の前に青い蝶が見える。 頭痛に堪えながら必死に叫ぶ鈴科クザン。 不気味な笑みを浮かべる少女。 不条理な光景。 消したくても消せない記憶。 目を背けたい現実の記憶。 ……… 今、鈴科クザンは亜希子と共に向かっている。 未確認災害の発生現場へと。 「見ててくれ芳香…。奴は…この手で殺る!」
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