第4話

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「リーチ。」 不意に夜叉は、リーチを宣言した。 それに対して焦ったのは、利乃だった。 何故か。 それは簡単だ。 利乃は今のところ一位とはいえ、夜叉の上がり牌を何時も出していたのは利乃なのだ。 (頼むから俺で上がらんといてや。) そんな事を心の中で祈ってしまうのも仕方ないだろう。 妙に緊張した中、各々が牌を出していく。 利乃の一萬はセーフ。 利希夜の南はセーフ。 蒼空の中は… 「ロン。俺の勝ち♪」 夜叉が上がってしまった。 リーチ一発の大三元。 ドラ三だ。 当たってしまった蒼空。 (……マジかよ…。) 親は蒼空で、当たったのも蒼空だ。 蒼空は自分の運の無さを恨んだ。 大幅に点数を取られた蒼空は最下位が確定し、夜叉の一位は確定した。 「やった。勝った。じゃあ、蒼空。夜魅が作った服着て♪」 明らかに嫌そうな顔を示す蒼空に、夜叉は気にした様子もなく告げると、近くで見ていた夜魅から服を貰い、蒼空に渡した。 その服はピンクに白のフリルをつけた、女の子らしいフリフリのワンピースだった。 男らしい格好が大好きな蒼空には拷問のようなお願いだった。
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