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『…斎藤』
誰かが俺を呼ぶ。
『斎藤、近藤さんが読んでるぞ』
『…分かりました』
俺を呼んだのは、副長だった。
俺は、少し急ぎ足で広間に向かう
襖を開け部屋を見ると、雪村と他の幹部も揃っていた。
『よし!これで皆揃ったな』
局長が改めて、場を正し話しが始まった。
『実は、皆に集まってもらったのは、この新選組の話しだ。まぁ簡単に言うとだな。裏話しになる…トシ後は、話してくれ』
『…はぁ、おめぇらも知ってる通り…』
何やら、気難しい話しなのか近藤さんは話しを副長に預け、副長は今の新選組の仕事内容を話し始め、皆は首を縦に振り納得した。
『は、いいんだそれ以前、新選組の生い立ちを話す』
俺、いや皆が土方さんの顔を見た。どうやら新選組は何か訳がある集団らしい…
『…いいか、良く聞け。お前らは全員兄弟だ。』
『『『えぇー!!!』』』
『おいおい、土方さんそりゃあねぇだろ…』
その場にいた、全員が目を見開き副長を見た。そして各々の顔を見回し…
『俺…達が…兄弟?』
平助は、混乱してながら副長にまた疑問で投げかける。
『…あぁ、そうだ。』
副長は、否定はせずそう答えた。だがその場に居る全員の顔には、まだ納得の様子は見えない。
『ですが、副長ここに居る全員は産まれも育ちも違います。何故いきなりその様な話になったんですか…』
俺も混乱している状態だったが、更に詳しく聞かねば、分からんと思い副長に聞いたのだ。
『確かに、斎藤の言う通り産まれも育ちも違う。が、記憶の無い内に本当の親から離されてしまえば話しは別だ。…近藤さん言っても良いのか?』
俺は確かに、記憶の無い内に親から離されれば…と納得した。
副長は、何かを局長に確かめ再び話しを進める…。
『まぁ、近藤さんの許可も出たし、隠すのも面倒だ。因みにお前らの本当の母親は既に、病死している。』
『…………』
誰もが喋る事すら忘れ副長の話しを真剣に聞いているや、否やまたしても副長の口から思わぬ言葉が出てきた。
『…父親はお前らの前に居る、近藤さんだ』
『『『えぇー!!!!』』』
再び先程と同じ声が広間に、響く。確かにこれには、俺も驚き顔を上げた。
『そんなこたぁーねぇだろう。なぁ、近藤さんよぉ!』
新八が近藤さんに確かめる。
『いや、事実だ。』
近藤さんは真剣な眼差しで皆に言った。
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